12月に入ったらすぐにドイツのクリスマスは始まります!
11月にはすでに街中がイルミネーションで飾られたり、クリスマスムードが増してきます。
ドイツの伝統行事として、聖ニコラウスの日(St. Nikolaus Tag)と言うものがあります。
聖ニコラウスの日は、12月6日。
トルコの司教であるニコラウスの命日と言われています。
その聖ニコラウスの日がどういう日なのか、紹介します。
聖ニコラウスは、トルコの司教。
聖ニコラウスは、4世紀に実在したトルコの司教さんです。
大変裕福な家庭に育ち、彼が親の財産を受け継いだあとは、その多大な財産を恵まれない人々に与え続けていました。
ある日、3人の娘を結婚させるお金がなく困っている家庭を知り、その家の暖炉にお金の入った袋を投げ入れ家族を助けたそうです。
そのお金の入った袋が偶然にも、暖炉にかけてあった靴下に入ったという逸話から、聖ニコラウスの日には、ブーツや靴下を玄関置いて、ナッツや果物を入れてもらうという習慣ができたそうです。
サンタクロースの起源となった人物です。

聖ニコラウスは司教(Bischof)なので、格好も司教です。
金の帽子に金の杖を持っています。
そしてこの絵にはありませんが、金色の本も持っています。
この本には、子供が一年間いい子にしていたか、どんな行いをしたかが全て書かれてあります。
後に書きますが、これによって子供たちがプレゼントが貰えるかどうかが決まるのです!
聖ニコラウスの日には、プレゼントが貰える!

ドイツのクリスマスには、子供たちは2度クリスマスプレゼントが貰えます。
1回は、12月24日に、両親や親戚などからプレゼントをもらいますね。
そして、その前にもう1回!子供たちは聖ニコラウスからプレゼントが貰えるんです。
もちろん、その一年、いい子にしていた子供だけですよ。
おうちに聖ニコラウスがやってくる。

さて、どうやったら聖ニコラウスが来てくれるのでしょうか。
聖ニコラウスの日の前日、12月5日に、ブーツを磨いて玄関先に置いておきます。
実際は、靴下でもなんでもOK。
そうすると聖ニコラウスがおうちにやってきてくれるのです。
聖ニコラウスは、怖い外見のネクテ・ルプレヒトと一緒にやってきます。
そして、聖ニコラウスは子供に尋ねます。
「一年いい子にしていたか」と。
聖ニコラウスは、手に持っている金色の本で、子供たちの一年の行いが全てわかるのです。
悪い子だったりすると、ネクテ・ルプレヒトのムチで叩かれて、袋に入れて連れて行かれちゃいます。
子供からしたら、恐怖ですよね!!!
そして、いい子にはもちろん、聖ニコラウスからプレゼントが貰えます。
”聖ニコラウスさん”をオーダー?

お分かりのように、寝ている間にサンタクロースがくる幻のお話ではなく、聖ニコラウスさんは子供のいるおうちにやってきて、子供と会話をしますね。
ここからは、大人の話。
さすがに両親がニコラウスさんに変身したら、バレちゃいます。
どうするのかというと・・・
ニコラウスサービス
フレンドリーなご近所さんがいたりすると、ご近所さんにニコラウスさんに粉して欲しいとお願いすることもあるそう。
また、昔ながらの小さな村では、子供がもう大きくなって聖ニコラウスの日をしないお宅のおじさんたちが、ボランティアでニコラウスさんになってあげたりするところもあるそうです。
でも近年はきっとそういう地域も減ってきていますよね。
そこで、”ニコラウスサービス”なるものがあるそうです。
市のサービスだったり、学生がボランティアでニコラウスになるサービスをしている場合もあるそうですよ。
ニコラウスサービスの掲示板を見つけたので、参考までに貼っておきます。
あらかじめプレゼントを預けておきます。
ご近所さんや、ニコラウスサービスにお願いする場合は、あらかじめ子供へのプレゼントをニコラウスさんに預けておきます。
そして、子供が悪戯っ子だったら、その悪事もこっそり伝えておいたりなんかして、連携プレイをしてくれるニコラウスさんもいるそうです。
ニコラウスさんを手伝ってくれる人がいない場合は・・・
とはいえ、隣人との関わりも薄くなってきた近代・・・
ニコラウスサービスも時にはお金がかかったり、簡単ではありませんよね。
ニコラウスさんは、おうちにやってきますが、玄関にプレゼントを置いて、ノックだけして姿を見せずに去っていってしまう場合もあるそうです。
私がもし小さい子供の親だったら・・・
①自分であらかじめ玄関先にプレゼントを置いておき、
②子供が近くにいないのを確認しておき、
③玄関の内側(家の中から)ノック音をコンコンっと鳴らす。
そして、、、
④『◯◯ちゃん、今ノック鳴ったよ!!ニコラウスさん、来たのかも!!!!』
なんていう、自作自演をするかもしれませんね(笑)
時代は移り変わって行くものですが、伝統と子供の夢は、大切にしたいです。
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