ドイツ語学習を進めるうちにある時ふと湧いてくる疑問を解決する、キノコのドイツ語ヒント集。
テキストに書いていないような、隅っこ突っつくような問題を解決していきます。
今日の疑問はこちら。
ドイツ語の語順は、動詞を二番目に持ってくればなんでもOK!とか言われます。
その通り。
通じます。
でもやっぱり自然な話し方がいいですよね。
より自然なドイツを身に付けたいと思うあなたは、この記事を読んでください。
日本語でも、『私は、母に手紙を書きます。』と『私は、手紙を母に書きます。』とでは、結果的には同じ意味になりますがやっぱりちょっとニュアンスが違いますよね。
ドイツ語も同じです。
では早速、例を見ながら解説していきます。
基本は、Dativ→Akksativの順。

ここからは、Dativは DAT、Akksativは AKK と書いていきます。
DATは青、 AKKは赤で示していきます。
『私は、母に手紙を書きます。』 Ich schreibe meiner Mutter einen Brief.
書く→shcreiben
母→die Mutter(F)
手紙→der Brief(M)
基本的に、DAT→AKK と覚えてください。
いっつでも使える、大前提です。
ダーティブ→アクザティブ、ダーティブ→アクザティブ・・・呪文のように覚えてください。
●『私は、母に手紙を書きます。』 Ich schreibe meiner Mutter einen Brief.
『私は、手紙を母に書きます。』 Ich schreibe einen Brief meiner Mutter. でも通じますが、なんだか”手紙”を強調している感じで、違和感がありますね。
あたかも「電話じゃなくて、手紙なの!!」って言ってる感じで・・・(^^;
日本語の語順と同じ感じだから、ちょっとホッとしました?
ドイツ語は、1語目(Ich)と3語目(meiner Mutter)は入れ替えても自然なままです。
Meiner Mutter schreibe ich einen Brief.
となります。
Einen Brief schreibe ich meiner Mutter. とは、ちょっと言わないですね。
なんか意図がありそうというか・・・やっぱり「電話じゃなくて手紙なの!」って強調が含まれているようなニュアンスに思われます。
ここで1語目に”母”や”手紙”が来たからって、動詞schreiben(書く)をschreibt (三人称単数)にしないように。
完全にトンチンカン、誰が書いたのか、誰に書いたのか、聞き手はごっちゃになっちゃいます。
代名詞 ”er/sie/es” が混じる場合。

ー会話の流れで、お母さんについて話しているので、もうわざわざ手紙を書く相手を ”母に” っていう必要がない場合がありますよね。
ーまたは、手紙の話題が既に出てて、「私は、母にそれを書いた。」って、手紙を “それ” で表すこともありますよね。
結論から言うと、文中に代名詞 “er/sie/es” が入ると、代名詞が優先となります。
上の2パターンで説明します。
DATに代名詞を使う場合
”母に” を “彼女に”(代名詞) に置き換える時は、sieのDATとして、”ihr” を使います。
●『私は、彼女に手紙を書きます。』 Ich schreibe ihr einen Brief.
DAT → AKK の順番のままなので、違和感はありません。
AKKに代名詞を使う場合
手紙 AKK “einen Brief” の代名詞で、 “ihn” を使います。
●『私は、彼女にそれを書きます。』 Ich schreibe ihn meine Mutter.
AKKに代名詞を使う場合、AKKがDATの前に来ます。
DAT、AKKの両方に代名詞を使う場合。

今度は、”母” にも “手紙” にも代名詞を使うときのパターンです。
ここでは、なんと DAT→AKKが真っ逆さまになってしまいます。
“母”はDATで “ihr” 、”手紙” はAKKで “ihn” を使います。
●『私は、彼女にそれを書きます。』 Ich schreibe ihn ihr.
前後の会話をちゃんと聞いてないと、なんのこっちゃ〜になりますがそれは日本語でも同じですよね。
間に副詞が入る場合

「こんなパターンはどうなるの?!」
テキストには王道の例しか載ってない、けどドイツ語を使っていくと「この場合はどうなるの!?」ってことがしょっちゅう出てきます。
そんな疑問を洗い出して解決していきたいこのドイツ語講座。
文中のDAT, AKKの間に副詞が入っている場合の、代名詞への置き換え方を説明します。
●『私は、母にしばしば手紙を書きます。』 Ich schreibe meiner Mutter oft einen Brief.
この文を先ほどのように “母” も “手紙” も代名詞にします。
“母”はDATで “ihr” 、”手紙” はAKKで “ihn” を使います。
●『私は、彼女にしばしばそれを書きます。』 Ich schreibe ihn ihr oft.
このように、しばしば “oft” は後につきます。
代名詞は動詞の後に続く文の前方に配置する、と覚えておいてください。
まとめ
ドイツ語は動詞を2番目に持ってこればあとの語順はなんでもOKと思われがちですが、より自然なドイツを身に付けたいと思うあなたはこの語順を頭にすり込んで下さい。
今日は以上です!
ありがとうございましたー!
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